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南森町の駐輪場(改修)|完成

佐藤伸也建築設計事務所

· 竣工,改修,事務所

all photos©増田好郎

大阪市内にあるオフィスビルの地階をコンバージョンしたプロジェクトである。 

本施設は最寄駅から近く、飲食店として繰り返し使用されてきたテナント区画であったが、一転してビルオーナーである事業主が運営する駐輪場として生まれ変わることとなった。 

いわゆる駅前にあるような誰でも使えるものではなく、会員制駐輪場としてである。 

駐輪台数をいかに最大確保できるのかという検討からスタートしたが、次第に駐輪場だけではなく、自転車を整備できるような+αの機能を加えたサイクリストの拠点づくりのイメージが生まれてきた。 

駐輪スペースには、150台分の二段ラックの他、ロッカーや更衣スペースを設け、整備スペースでは、洗車や工具を使用することができるなど、単なる駐輪場に留まらないプログラムとなっている。 

■建築概要 

施設名称:WGP

所在地:大阪府大阪市北区 

用途:会員制駐輪場 

設計:アートアンドクラフト+佐藤伸也建築設計事務所 

照明計画協力:むくもと照明設計事務所

ロゴ:sato design 

写真:増田好郎 

竣工:2022年3月 

 

兼ねる「線」 

設計開始時には、従前のテナント内装の解体工事が完了しており、鉄筋コンクリート造のスケルトン状態だった。 

太い柱や梁が規則正しく並び、力強い構造体が魅力的であると同時に、誰しもが想像するようなマンションや商業施設に付随するような地下駐輪場の雰囲気が既に漂っていた。 

地下への階段が改修エリアを分断するような位置にあることから、一方を駐輪スペース、もう一方を整備スペースとしてプランニングしている。 

そこで駐輪場として必要となるサインを、会員制という特定された人しか利用しないことを逆手にとり、ユニバーサルなデザインを目指すというよりは、機能的で必要最小限な「線」として表現した。

「線」は、主にサインとしての誘導・エリア区画・ナンバーリングであるが、照明や建具把手などの役割を兼ねながら、空間を上書きするように連続し縦横無尽に駆け回っている。  

この「線」を加えることによって、既存空間がもつポテンシャルを活かしながら差別化を目指したいと考えた。 

 

 

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